会計ソフトって何がおすすめ?
どうも加瀬です。
今回は会計ソフトのお話です。
『自分で経理したいんだけど会計ソフトって何使ったらいいの?』って結構聞かれるので意見をまとめてみました。
1.会計ソフトはクラウドがいいと思います。
会計ソフトにはクラウド型の会計ソフトとスタンドアロン型の会計ソフトがあります。クラウド型がfreeeとかMFクラウドとかで、スタンドアロン型が弥生会計(弥生の青色申告オンラインはクラウド型です)とか勘定奉行とかです。基本的には経理を雇わない個人事業主の方はクラウド会計をおすすめします。スタンドアロン型の会計ソフトは経理の方や会計事務所向けのものだからです。金額も高いし、知識がないと使うのが難しいです。
クラウド会計で有名なのはfreee、MFクラウド、弥生オンラインあたりだと思います。先に言ってしまうと、この三つは好みで選んでしまって構いません。機能的にはそこまで差があるわけではないので、これは絶対やめとけとか、ぜひこれを!みたいなことはありません。一応使いごこちがちょっと変わってくるのでその辺のお話をしていこうと思います。
2.freee
一番有名なクラウド会計はfreeeだと思います。freeeは『会計知識がない個人事業主向け』に作られています。なので、よっぽど拒否反応がなければfreeeでいいと思います。しかし『会計知識がない人向け』ということは、初めから「こうやって作業してください」とレールが敷かれるているということです。freeeによって作られたレールから外れて作業しようとすると非常にやりづらいです。作業に慣れれば慣れるほどそういうことはよく出てくるし、そもそもなんだかわからないままレールに乗せられて作業してる、という事実に拒否反応が起こる人も少なくないはずです。
とはいえ、ある程度融通をきかせて意識的にfreeeのレールに乗って作業しさえすれば、非常に便利なツールです。ですが、それ以上に『ユーザーが多い』ことが大きい要素だと思ってます。会計ソフトはとにかくトラブルが起きがちです。freeeはヘルプが充実してますし、ヘルプにないことでも調べると結構出てきます。とはいえ結局人に聞くのが一番早いです。そんなとき、有料のサポートをつけてもいいのですが、どの程度トラブルが起きるのかわからないことを考えると割高ですし、確定申告の時期は当然サポートセンターは混むのでいざってときになかなか必要なサポートが受けられない、なんてこともあります。つまり、税理士などをつけない場合、まず『知り合いが使ってるかどうか』で選ぶことをおすすめします。もし周りがみんな弥生オンラインだったら弥生オンラインでもいいと思います。
というわけでいろんな意味で好みの分かれるソフトだとは思いますが、『何のクラウドがおすすめですか?』と聞かれたら『結局freee安定』と答えます。
3.MFクラウド
会計ソフトとしてfreeeと同じくらい有名なのはMFクラウドです。freeeが『個人事業主向け』のクラウド会計ソフトだとするなら、MFクラウドは『会計事務所向け』の会計ソフトです。会計事務所にとってありがたい機能がたくさんついているので、新規の顧問先がもし会計ソフトを迷っていたら「MFクラウドにしてもらえると助かる」と答えます。おそらく、他の多くの会計事務所さんも、「MFクラウドにしませんか?」と提案してくると思います。半面、個人事業主さんが自分で使うにはちょっと難しいかもしれません。したがって、「使いこなせれば最強だけど、会計顧問をつけることを考えていないのであればあまりお勧めできない」といったところでしょうか。
4.弥生オンライン
独立開業して会計ソフトの話を積極的に聞くようになってから、『会計業界ではfreeeとMFクラウドの二強』だったけど、『個人事業主的にはfreeeと弥生オンラインの二強』なのか?ってくらいによく名前を耳にします。やっぱりMFクラウドはハードル高いのかな。
弥生オンラインはメリットデメリットのはっきりしているソフトです。メリットは白色申告だと無料で使えることです。そのうえ青色申告に移行する際もアップデートして機能がちょっと加わるだけなのでスムーズに行けます。お金をかけたくない方に非常に向いています。デメリットは、会計ソフトとしてはfreeeやMFクラウドに一つ劣る印象です。特に、ある程度の規模になった場合や、ちょっと特殊な取引がある方などは弥生オンラインではやりにくいことが結構出てきます。とはいえ、小規模な事業主さんが普通に使ってる分にはそこまで大きな差はないので、将来的にみてそこまで売上が上がる予定がなければシンプルでわかりやすく、UIにも癖がないので好き嫌いが少ないツールだと思います。
ただ自分にはあまり相性が良くないので当事務所が顧問先に積極的におすすめすることは少ないと思います。また、クラウド推進を図っている会計事務所もあまり弥生オンラインを推奨することはあまりない印象です。個人使用用特化ってことはないんでしょうが、実質的にそんな感じになっているかもしれません。
5.会計ソフトを使わない選択肢
クラウド会計以外の選択肢としてはエクセルを使って整理してもいいですし、完全にアナログでやったりってのもあります。エクセルはある程度経理知識がないと難しいですが、アナログは個人的に結構ありだと思います。当事務所でもアナログ作業用の専用ファイルを作ってるのでもしご興味あれば。
個人的にクラウド会計ソフトで一番便利なのは、仕訳や申告書云々よりもマイナンバーカードを同期すれば申告まで一気通貫でやれることだと思っています。書類作成までは理解してやって頂きたいので、規模が小さければアナログでやっても会計ソフトでやってもそこまで大きな差は出ないと思います。ですが、会計はアナログでよくても、申告はetaxにしろ郵便にしろ結構面倒だし、税務署に直接出しに行くとかはよっぽど「直接手渡ししないと不安」みたいなことがない限りあまりおすすめできません。
ということで、今回初めての申告でかつ次回以降も申告が必要になってくる予定の方は会計ソフトに慣れておくのはありだと思いますが、今まで何回かetaxや郵便で申告の経験がある人は無理に会計ソフトを導入しなくてもいいかなと思います。ある程度まではアナログでやっちゃって、これもうアナログ無理だなって規模になったら税理士をつける、みたいなのもありだと思いますし。
ほかの論点としては、資料が電子データか紙か、というところが挙げられます。ネットでのやり取りが多く、紙での証憑が少ない場合にはどのみちデータで保存するので全部パソコンでやっちゃえるように会計ソフトを使う方がおすすめです。電子帳簿保存のこともありますし。
6. まとめ
クラウド会計ソフトはどれも無料使用期間があるし、極端な優劣はないので気になったやつを順番に使ってみるのがいいと思います。別のソフトへの移行もそこまで面倒ではないのでまずは慣れるためにたくさん触ってみましょう。会計ソフトを変えるときはどの年分のデータがどの会計ソフトに入っているかわからなくならないようにだけご注意ください。
以上です。会計ソフトを選ぶ際の参考になれば幸いです。
加瀬